原因・チェックリスト・家でできる転倒予防の運動まで
加齢とともに足腰の筋力や反射速度が低下し、つまずいたときに咄嗟に体を支えられなくなる可能性があります。特に太もも・ふくらはぎ・足首周りの筋力が重要とされています。週2〜3回の筋力トレーニングで改善が期待できるとされています。
内耳にある平衡感覚の器官(前庭)の機能が低下すると、バランスを保つ能力が低下する可能性があります。暗い場所や不整地での転倒リスクが高まるとされています。閉眼時にバランスが取りにくい場合はこの機能の低下が考えられます。
加齢による視力低下・白内障・深視力(距離感)の低下は、段差や障害物の認識を難しくする可能性があります。定期的な眼科受診と、適切な眼鏡の使用が参考になります。夜間の視力低下にも注意が必要です。
睡眠薬・降圧薬・抗不安薬などは眠気やふらつきを引き起こす場合があります。また起き上がったときの急激な血圧低下(起立性低血圧)もふらつきの原因になることがあります。3種類以上の薬を服用している場合は特に注意が必要とされています。
| 危険な行動 | リスク | 安全な代替方法 |
|---|---|---|
| 急いで立ち上がる | 起立性低血圧によるふらつき・失神の原因になる可能性があります | ゆっくり横向きになり→座位で少し待ってから立ち上がる |
| 素足・スリッパで歩く | すべりやすく、つまずきやすくなります | かかとまで覆うすべり止め付きの室内履きを使用する |
| 暗い中でトイレへ行く | 夜間の転倒は重症化しやすく骨折リスクが高いです | センサーライト・足元ライトを設置する |
| 高い場所のものを取ろうと背伸びする | 重心が高くなりバランスを崩しやすくなります | 踏み台(手すり付き)を使うか、家族に依頼する |
| 急いで電話・ドアに出る | 焦りによる転倒は多く報告されています | ゆっくり立ち上がり、急がない習慣をつける |
| ポケットに手を入れて歩く | 転倒時に手をつけず顔・頭を打つリスクが上がります | 両手を自由にして歩く・バッグはショルダーに |
転倒予防に最も効果的とされる運動のひとつです。静的バランス能力を鍛えます。
ふくらはぎと足首周りを鍛えることで、つまずきにくい歩行につながる可能性があります。
股関節屈筋を鍛えることで足が上がりやすくなり、つまずきのリスクを軽減できる可能性があります。
動的バランス能力のトレーニングです。歩行中のバランス維持能力を高めます。
足首の柔軟性を保つことは、歩行時のバランス維持に関係するとされています。起床後や就寝前にも行えます。
太もも・お尻の大きな筋肉を鍛えることができ、立ち上がり・歩行の安定に関係するとされています。
段差をなくす・すべり止めマットを敷く・夜間の足元ライトを設置するなど、環境から転倒リスクを減らすことが効果的とされています。特にトイレ・浴室・廊下・玄関は注意が必要です。カーペットの端がめくれていないか定期的に確認しましょう。
浴槽の出入り・トイレの立ち上がりは転倒が多いシーンです。手すりの設置は転倒予防に有効とされています。介護保険を使った住宅改修制度(自己負担1割〜)を活用できる場合があります。地域包括支援センターに相談してみましょう。
素足やスリッパは滑りやすく、転倒リスクが高まる場合があります。かかとまでしっかり覆い、すべり止めのついた室内履きが参考になります。ひもが解けやすい靴は面ファスナー(マジックテープ)タイプへの変更も参考になります。
夜中のトイレは転倒が多い時間帯です。センサーライトや足元ライトを廊下・トイレに設置することで、暗がりでの転倒リスクを減らせる可能性があります。スマートホーム機器を使った自動点灯の設置も参考になります。
コード類・新聞紙・衣類が床に散らかっていると引っかかりやすくなります。通り道に物を置かない習慣が大切です。コードはまとめてテープで床に固定するか、コードカバーで保護することが参考になります。
杖は「転倒の道具」ではなく「安全に歩くための道具」です。適切な長さ・種類の杖を選ぶことで歩行の安定性が向上する可能性があります。杖の長さの目安は「立位でグリップを持ったとき肘が30度程度曲がる高さ」です。医師や理学療法士に相談してみましょう。
| 栄養素 | 転倒予防との関係 | 多く含む食材 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 筋肉量の維持に関係します。不足するとサルコペニア(筋肉量低下)が進み転倒リスクが高まる可能性があります。毎食20〜25g程度を目安に摂ることが参考になります。 | 鶏肉・魚・卵・豆腐・納豆・ギリシャヨーグルト |
| カルシウム・ビタミンD | 骨密度の維持に関係します。転倒しても骨折しにくい骨を保つことが大切とされています。ビタミンDは筋力維持にも関係するとされています。 | 牛乳・チーズ・しらす・鮭・干ししいたけ(日光浴でも合成されます) |
| ビタミンB12・葉酸 | 神経機能の維持に関係し、バランス感覚にも影響する可能性があります。不足すると末梢神経障害が起きることがあります。 | 肉類・魚介類・卵・緑黄色野菜・乳製品 |
| 水分(こまめな補給) | 脱水は血圧低下・めまい・集中力低下を招き、転倒リスクを高める可能性があります。1日1.5〜2L目安で、喉が渇く前に少しずつ摂ることが大切です。 | 水・麦茶・みそ汁・スープ・果物など |