「終活」という言葉は耳にしたことがあっても、具体的に何をすればいいかピンと来ない方は多いのではないでしょうか。本記事では、宮城県で終活メッセージ動画の制作を通じて多くの方の終活と関わってきたスタッフが、終活でやることをリスト化して順番に解説します。

終活とは、人生の終わりに向けた準備を整える活動の総称です。財産や持ち物の整理、医療や葬儀の希望をまとめるといった「家族のため」の側面と、これからやりたいことを書き出すといった「自分のため」の側面の両方があります。「縁起が悪いもの」ではなく、残りの人生を前向きに整える活動として捉える方が増えています。

終活でやることリスト10

1. 持ち物・財産の整理(生前整理)

長年使っていないもの、家族が把握していない収納の中身を少しずつ整理します。一気にやろうとせず「今日はこの引き出し」「今週はクローゼット」と区切るのがコツです。思い出の品は無理に捨てず、写真に残してから処分するという方法もあります。生前整理は、終活の入り口として最もハードルが低く、取りかかりやすい項目です。服・本・日記・趣味のコレクションなど、ジャンルごとに区切って進めると挫折しにくく、フリマアプリで手放すという方法もあります。

2. 預貯金・保険・年金の情報まとめ

口座のある銀行、生命保険・医療保険の証券番号、年金手帳の保管場所を一覧にします。暗証番号など機密情報は書かずに「通帳がどこにあるか」を残すのが基本です。これだけで、いざというとき家族の負担が大きく減ります。使っていない口座やサブスクの解約もこのタイミングで進めると効率的です。ネット銀行の口座、使っていないクレジットカードの解約、公共料金や保険の名義変更なども、あわせて洗い出しておくと安心です。

3. 不動産・相続の方針を決める

持ち家がある場合、誰に残すか、売却するか、リフォームするかなどを考え始めます。相続でもめる原因の多くは「本人の意思が分からないこと」です。法的効力を持たせるには遺言書が必要ですが、まずは家族に方針を口頭でも伝えておくだけで、将来のトラブルを大きく減らせます。空き家のまま放置すると固定資産税がかかり続けるほか、2024年4月からは相続登記が義務化されているため、名義変更や売却の方針は早めに決めておくと安心です。生前贈与を活用して早めに財産を渡す方法もありますが、贈与税の制度が複雑なため、家族会議の場で税理士への相談も含めて話し合っておくと安心です。

4. デジタル遺品の整理

スマホのロック解除方法、メインのメールアドレス、SNSアカウント、サブスクリプションなど、デジタル上に残る情報を整理します。現代では「家族がアカウントにアクセスできず、写真も解約手続きもできない」というケースが急増しています。スマホひとつでも整理しておくと、家族の負担はかなり軽くなります。

5. 医療・介護の希望を決める

延命治療を希望するか、認知症などで判断能力が落ちたとき自宅と施設どちらでの介護を希望するか、臓器提供の意思などを書き残します。これらは「本人にしか決められないこと」であり、書いておかないと家族が「どうしたかったのだろう」と悩み続けてしまいます。家族のためにも、自分のためにも、早めに整理しておきたい項目です。施設への入居を検討する場合は、費用や特色(介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など)を早めに比較しておくと、いざというときに慌てず選べます。

6. 葬儀・お墓の希望を決める

葬儀の規模(家族葬/一般葬/直葬)、宗教・宗派、呼んでほしい人、遺影に使ってほしい写真、流してほしい音楽などを決めておきます。お墓は入りたい墓・新しく建てるか・樹木葬や散骨を希望するかなど、近年は選択肢が大きく広がっています。家族が判断に迷わないよう、希望は具体的に書いておくのが理想です。既にあるお墓を維持できない場合は、墓じまい(改葬)をして永代供養墓や納骨堂に移す方法も増えています。管理費用や継承者の負担を考えて早めに検討しておくと安心です。

7. エンディングノートを書く

ここまでに整理した情報を、エンディングノートにまとめておくと家族が一目で全体を把握できます。法的効力はありませんが、家族への「申し送り書」として機能します。書き方の詳細は エンディングノートの書き方|11項目と書き始めるコツ で項目別に解説していますので、これから書き始める方はあわせてご覧ください。紙のノートのほか、スマホやパソコンで使えるエンディングノートアプリも増えており、写真や動画を一緒に残せる点が便利です。使いやすい方法を選んで問題ありません。

8. 遺言書の検討

財産分与の希望を法的に有効な形で残したい場合は、遺言書の作成を検討します。遺言書には3種類あります。

確実性を重視するなら公正証書遺言が安心です。弁護士・行政書士・司法書士に相談しながら進めることをおすすめします。

9. 家族・友人へのメッセージを残す

感謝の言葉や伝えきれなかった思いを残します。手紙やエンディングノートのメッセージ欄に書く方が多いですが、文字では伝えづらいニュアンスを「声と表情」で残す方も増えています。動画なら、後から家族が何度も見返せるという良さもあります。形式は問わず、自分が一番自然に伝えられる方法を選ぶのがおすすめです。

10. やりたいことリストを作る(前向き終活)

「死ぬまでにやりたいこと」を書き出してみると、意外と今すぐ着手できることが多いと気づきます。行きたい場所、会いたい人、もう一度やってみたい趣味——終活は、整理だけでなく「これからをどう生きるか」を考える時間でもあります。前向きな項目から書き始めると、終活全体への取り組みも続けやすくなります。

終活チェックリスト|進捗を確認しよう

以下の項目を参考に、自分がどこまで進んでいるか確認してみてください。全部を一気にやる必要はありません。できているものから把握するだけでも、終活の第一歩になります。

カテゴリ チェック項目 優先度
持ち物・財産 不要なものの整理(生前整理)を始めた
お金 銀行口座・保険・年金の情報を一覧にした
デジタル スマホのロック解除方法・SNS・サブスクを整理した
医療・介護 延命治療・介護の希望を書き残した
葬儀・お墓 葬儀の形式・お墓の希望を決めた
エンディングノート エンディングノートを書き始めた
遺言・相続 財産分与の方針を家族に伝えた(または遺言書を作成した)
メッセージ 家族・大切な人への感謝の言葉を何らかの形で残した
不動産・相続 持ち家・土地の扱いについて方針を決めた
やりたいこと 死ぬまでにやりたいことリストを書き出した

優先度「高」の4項目だけでも完了すると、家族の負担は大幅に減ります。まずはここから始めてみてください。

年代別|終活で何から始めるべきか

終活に決まった年齢はありませんが、年代によって優先すべきことは変わります。自分の年代に合った項目から手をつけると、無理なく進められます。

年代 優先してやること 理由
20代・30代デジタル終活(SNS・YouTube・サブスクの整理)から始める身軽な人が多く、身の回りの整理は今のうちに済ませやすい。一人暮らしの方は身元保証人の確認もおすすめ
40代 デジタル遺品の整理・保険の見直し・遺言の必要性を考え始める 体力・判断力があるうちに情報を整理しておくと後が楽。子どもが小さい時期は万が一の備えが特に重要
50代 エンディングノートを書き始める・医療希望を決める・相続方針を家族と話し合う 親の介護や自身の健康を意識し始める時期。「もしも」が現実味を帯び始めるタイミング
60代 遺言書の作成・葬儀の希望を固める・本格的な生前整理を進める 定年退職で時間ができ、腰を据えて取り組みやすい。子どもが独立し、財産・相続を具体的に考えやすい時期
70代以上 法的手続きの完了・医療・介護の希望を書面で残す・財産一覧を仕上げる 判断能力が保てるうちに、法的に有効な形で意思を残すことが最優先。任意後見の検討も

どの年代から始めても「遅すぎる」ことはありません。ただ、体力と判断力があるうちに始めた方が、より自分の意思を反映させやすくなります。

宮城・仙台で終活を相談できる窓口

「何から手をつければいいかわからない」「専門家に相談したい」という方のために、宮城県・仙台市で利用できる終活相談の窓口をまとめました。いずれも無料または低費用で相談できます。

窓口 相談内容 費用 備考
仙台市終活相談窓口(市役所本庁舎6F) 終活全般(遺言・葬儀・エンディングノートなど) 無料 事前予約制。TEL:022-214-8555(平日8:30〜17:00)
仙台市社会福祉協議会 終活講座・地域生活支援・見守りサービス 無料 60歳以上対象の講座あり。各区の地域支援センターでも対応
地域包括支援センター(各区) 介護・医療・生活に関する相談全般 無料 仙台市内に複数拠点あり。介護予防・権利擁護も対応
法テラス宮城 遺言書作成・相続・成年後見などの法律相談 審査あり・無料〜 収入要件あり。弁護士・司法書士への橋渡しも可能

※各窓口の受付時間・対応内容は変更になる場合があります。最新情報は各機関の公式サイトまたはお電話でご確認ください。

終活にかかる費用の目安

終活そのものは無料で始められますが、内容によっては別途費用がかかります。エンディングノートは100円〜2,000円程度、遺言書は自筆証書遺言なら数千円、公正証書遺言は財産額に応じて数万円〜が目安です。生前整理や遺品整理を業者に依頼する場合は数万円〜数十万円かかることもあります。まずはお金のかからない「持ち物の整理」や「情報のリスト化」から始めて、専門家への相談が必要な部分だけ費用をかけるのが無理のない進め方です。

終活はいつ始める?進め方の順番

終活に「この年齢から」という決まりはありません。40代・50代から始める方も増えており、早すぎることはありません。むしろ体力と判断力のあるうちに始めた方が、迷いなく整理できます。

進め方のおすすめは、ハードルの低いものから順番に取り組むことです。具体的には、「生前整理(持ち物)→ 預貯金・サブスクの情報まとめ → エンディングノートに書く → 重い意思決定(医療・葬儀・遺言)」 の順番だと挫折しにくいです。重い決断から始めると気が滅入ってしまうため、まずは引き出しの整理など作業系から始めるのが続けるコツです。

終活をテーマにした映画・ドラマ

終活について「まず何か見てみたい」という方には、終活をテーマにした映画やドラマが取り組みのきっかけになることがあります。主な作品をご紹介します。

映画

映画

エンディングノート(2011)

胃がんの告知を受けた父親がエンディングノートを手がかりに家族と過ごす実録ドキュメンタリー。終活入門として最もよく挙げられる作品。

映画

ペコロスの母に会いに行く(2013)

認知症の母を介護する息子の実話ベースの物語。老い・介護・家族の絆を温かく描いており、医療や介護の希望を考えるきっかけになる。

映画

50回目のファーストキス(2018)

記憶障害を抱えながら生きる女性と家族の物語。「今を大切にすること」を考えさせるコメディタッチのラブストーリー。

ドラマ

ドラマ

やすらぎの刻〜道(2019・テレビ朝日)

老いた脚本家が過去を振り返りながら人生を綴る長編ドラマ。終活の「人生の棚卸し」という側面を丁寧に描いている。

ドラマ

死にたい夜にかぎって(2018・テレビ東京)

人生の意味や家族との関係性を見つめ直すヒューマンドラマ。「やりたいことリスト」を考えるヒントになる作品。

ドラマ

カルテット(2017・TBS)

「残された時間で何をするか」という問いを扱った作品。終活を考える方にも支持されているヒューマンドラマ。

終活の参考になる本

何から読めばいいか迷う方のために、終活に関する代表的な書籍を3冊ご紹介します。

よくある質問

終活って縁起が悪くないですか?

「終わり」という字が入っているため抵抗を感じる方もいますが、実態は「人生の整理整頓」と「これからの計画」です。むしろ家族への思いやりとして、また自分自身の残りの人生を充実させるための前向きな活動として捉えられています。

親に終活を勧めたいが切り出しにくいです。

「終活」という言葉を使わず、「もしものとき家族が困らないように、必要な情報の場所だけ教えてほしい」と切り出すと受け入れられやすいです。エンディングノートを一緒に書く時間を作ると、自然と会話のきっかけになります。

一人暮らしでも必要ですか?

むしろ一人暮らしの方ほど必要です。連絡してほしい人のリスト、医療や葬儀の希望、デジタル遺品の整理など、本人にしか分からない情報を残しておかないと、いざというとき周囲が対応に困ってしまいます。

終活はやりすぎると良くないですか?

全部を完璧にやろうとする必要はありません。「優先度が高い項目」から少しずつ進めれば十分で、やり残しがあっても大きな問題にはなりません。気負いすぎて途中でやめてしまうよりも、無理のないペースで長く続けるほうが大切です。

関連記事

想いを「声と表情」でも残しませんか?

終活の一環として、家族や大切な人へのメッセージを動画で残せます。宮城県でメッセージ動画と葬式スライドショーを制作しています。修正は何度でも無料です。

サービス内容と料金を見る →

関連記事

家族葬の流れ

通夜から火葬まで全ステップと費用相場

葬儀費用を安く抑える方法

断れるオプション・お布施・戒名の実態

宮城県の葬儀費用相場と葬儀社リンク集

形式別費用比較と主要葬儀社一覧

葬式関連で出る補助金・給付金

埋葬料・葬祭費など申請方法を解説

葬式の服装マナー

男女別・立場別の完全ガイド

喪主の挨拶 文例集

場面別の例文と注意点

葬儀のオプション料金相場

追加費用の内訳と抑えるコツ

余命宣告されたら家族へ伝えたいこと

想いを残す方法と動画メッセージ

闘病中に家族へ伝えたいこと

メッセージを残す3つのタイミング

エンディングノートの書き方

何を書く?11項目と例文・注意点

数珠の選び方・マナー完全ガイド

素材・宗派別の違いと葬儀でのマナー

香典の金額相場と書き方マナー

関係別の目安・不祝儀袋の選び方

スライドショー用アンケート

葬式スライドショー制作の事前ヒアリング

メッセージ動画 vs スライドショー

違いと料金相場を宮城の制作会社が解説